フロリダ観光記

1999.1.23-1999.1.27

仕事でフロリダに行く機会がありました。時間をうまくやりくりして、 観光するとしたらどこが良いでしょうか。ディズニーワールド? ユニバーサルスタジオ? No-No。まずはケネディスペースセンターに 行くべきです!

というわけで、行って来ました KSC。ちょうど衛星の打ち上げなんかも やってたりして、ラッキーな時間を過ごす事が出来まして、幾つか写真を 取って来たので軽くご紹介。

とりあえず

アメリカで旅行するんなら、レンタカー必須ですね (Y/y)。ちなみに、 日本で予約すると保険が安いですから、あらかじめ計画がたっているなら 日本で予約して行くのが Good。

で、私は Hertz の compact クラス、LDW という保険がついて一日 43ドル というコースを予約して現地に乗り込みました。実際は、これに LIS という 保険を 9ドルばかりつける必要があります。営業所のにーちゃんは、あと 5ドル追加したらカムリにしてやるぜと言ってくれたけど、別にカムリじゃなく ても普通は困らないので、断わる。

さて、最初に駆り出したのがこれ。
フォードトーラス、99年式の新車です。
最初からガソリンが 7/8 しか入ってない と言う、わりとありがちな状態ではありましたが... ごく真っ当なセダンで、特に不満もなく いそいそとその日の宿に乗り付けたのでありました。

お宿は Quality INN。モーテルですな。


一晩明けて...

さて、唯一の自由行動の日。朝早くから KSC めざして ハイウェイ(残念ながらフリーじゃなかった)を東へ...

気持ち良く走り出してわずかに数分後、突然 Service Engine Soon という警告灯が点灯! さすがはアメ車、やってくれます。

さいわい、エンジンは普通に動いているようだが こんな不気味な警告灯をつけたままこの先 40mile も走りたくないぞ。 あーこんな事なら5ドル払ってカムリにしておけば良かったかなぁ。 仕方なく引き返して営業所へ。おーい Hertz, 何とかしてくれい。

にーちゃんに文句言って とりかえてもらって、出て来た車はこれ。
高級車、トヨタカローラです。
やっぱり最後の砦は日本車と言うか、 日本車が勝ち得ている信頼感と言うのは 大したもんです。

Kennedy Space Center

さて、一時間半程車を走らせ、やって来ました ケネディスペースセンター。 「月へ行こう」と言い出した大統領にちなんで名付けられた NASA の 施設は、今でもスペースシャトルの打ち上げ基地として有名ですね。 一応観光地としても機能していますが、広大な基地のほとんどは 勝手に入ってはいけないエリアになっています。そこで、観光客は ビジターコンプレックスというところからバスに乗ってまわります。 ツアー代金は大人14ドル。
で、最初にバスがつくのが Saturn V center という施設です。
サターン5型ロケットと言うのは、アポロ打ち上げ用の巨大ロケット です。ある程度年寄りの方にはおなじみですね。 どれくらい巨大かと言うと、

と言う感じです。よくわからないでしょ。すみません...

ともかく、デカイのですよこれは。こんな物が轟音と共に 空へ吸い込まれて行くのを、このあたりに住んでる人達は 何回も見物しているんです。うらやましい!

他にも、このセンターにはアポロの時代の管制センターを そのまま再現した部屋があって、アポロ11号の打ち上げを 模擬して見せてくれます。これはなかなか素晴らしいショー で、打ち上げ前の緊張が伝わって来ます。映画「アポロ13」 をはじめ、普通は演出が入って一秒の長さが可変になったり するものですが、このショーでは冷徹なまでに時計が秒を 刻みます。うーん、カッコ良いなぁ。

さて、バスの次の停留所は、LC39 (Launch Complex 39) と 呼ばれるシャトルの打ち上げ場の、見物ポイントです。 途中で、シャトルの組み立て施設の脇を通ります。
この組み立て施設、 壁におっきく星条旗とNASAのロゴがついてます。 シャトルを釣るクレーンが備わっていて、垂直に タンクとくっつける作業がここで行なわれるのです。
手前にちょこんと写っている車と、サイズを比べてみて 下さいな。いかにこの建物がでかいか判るでしょう。

で、見物ポイントからの眺めはこんな感じ。左にぼんやり見えている箱が さっきバスで通った組み立て施設で、そこから 6mile もの距離を巨大トレー ラーに乗っかって、のそのそと、右にぼんやり見える打ち上げ台まで運ばれて 行くと言うわけです。どうです、広いでしょう。

このセンタは、ばかばかしい程広くて、この見物ポイントからは 他の打ち上げ台も見えるのですが、こんな感じなのですよ。 遠くにぼんやり見えているのが、ロケットの打ち上げ台です。

こんな環境、日本じゃ無理だよねぇ。種子島でも見学ツアーとかあるのかな?

打ち上げを見に行こう!

さて、仕事の最終日の朝、ぼんやりテレビニュースを見ていると 「今日はケネディスペースセンタでロケットを打ち上げるのよね。 時間のある人は見に行くと良いんじゃない?」等と言っている。 おいおいまぢかよ、てなもんで、テレビに食いつく。どうやら4時か 5時にビジターコンプレックスに行けば、見学ツアーが出るらしい。 これは行くしかないでしょう。行くしか。
というわけで、急拠レンタカーを借りる事にした。こんどは Budget で、一日 34ドル(+ 29ドルの保険) の economy class。でも、 受け取りに行って驚いた...

これのどこがエコノミークラスじゃ
まぁ、気を取り直して出発する。途中、マクドで夕飯をテイクアウト、 と言うか to go する。こんなトラック、運転するの初めてだけど 結構元気に走る。でも、ブレーキは効かない。ガソリンのメーターが みるみる減って行く。一応99年式の新車なのだが、油断は出来ない。 頼むから壊れないでくれよと祈りつつ、例によって 一時間半のドライブ。夕焼けが美しい!

到着すると、既に見物客が結構な数並んでいる。ツアーのチケットは 10ドルだった。観光バスが10台程ピストン輸送していて、全部で 500人 か 600人か、もっとかな、ともかく久々に群衆を見たと言う感じ。

こうして待っている間にも、あたりは次第次第に暗くなって行く。 ちなみに、打ち上げ予定時刻は 19:34 とのことだった。

バスで20分程行った所の見物会場はナトリウムランプで照らされていて、 簡易トイレがあったり、スピーカを通じて打ち上げ管制メンバの声が聞こえて 来たりと設備は整っているのだが、見掛けは単なるハラッパである。
今日のロケットは Athena I という小さいロケットで、荷物は 台湾初の通信衛星だそうだ。

This is Athena launch control. T minus 15 minuites, still counting...などと管制のおぢさんの 声が響く。うーん、雰囲気でてるぞぉ。本物だから当り前か。

そして、何やらひたすらチェックしているのだった。

"Check list 21" "21 check."
"Check list 22" "22 check."
...
"Check list 46" "46 check."
...

打ち上げ5分前、セクションリーダへの最終チェックの呼び声がかかる。 セクションの略号は忘れたので適当だが、

"AOC" "AOC, Go."
"BCG" "BCG, Go."
"CDD" "CDD, Go."
...
てな感じ。アポロ13の映画にも出て来たっけ?

さぁ打ち上げ1分前。制御が自動に切り替わり、見物会場の照明が落ちる。 周りからヒューと歓声。さぁいよいよだ...

Ten, nine, eight, seven, six, five, four, three, two, one, ignition! と共に前方がぱーっと光る! まぶしい!

不気味な静寂と共に、火の玉が斜めに上がって行く! すげー、と思うと 同時に、えらく速いぞ、もっとゆっくり上がって行って欲しいなぁなどと 勝手な希望を抱く。5秒かそこらして、バリバリと物が燃える音が聞こえて きた。打ち上げ花火と一緒で、音は遅れるのである。

1分もたたないうちに、ロケットの火は御覧の通り小さくなって行く... ああもうあんな所に行ってしまったのね。

メインエンジンは2分半燃えるそうだ。もうほとんど星の一部と化しつつ あるなーと思う頃、火が消えた。ほとんどの見物人はぞろぞろ帰りはじめるが、 一部の好き者は第二エンジンの点火を待っている。この 30秒が、長い!

そして、第二エンジンの火がぽっと、まるで線香花火の最後の玉のように ひっそりと、ともった...夜空に唯一人工的な軌跡を残しながら。うーん、 感動的だなぁ。うーん、それにしてもあっと言う間だったなぁ...全部で 3分ちょいだったなぁ。

さて、帰りのバスの中で運ちゃんが言うには、今日のロケットは小さくて つまらなかった、君達は是非シャトルの打ち上げを見に来るべきだ、あれは 格別感動するぞ、何度見てもイイ、だそうだ。そりゃー機会があれば見たい ですよねぇ。でも周辺の道路は渋滞するし、見物客の数も桁違いだろうし、 シャトルは打ち上げ延期と言う技を良く使うしなぁ。運を天に任せることに しましょうか。

というわけで

運ちゃんはつまらんと言っていたけど、何億円もする打ち上げ花火を ライブで見たのははじめてだったこともあって、実に感動して帰って来ました。 子供の頃からあんなの見てたら、科学者を夢みただろうなぁ。

で、宿に帰って来たら野良猫が出迎えてくれました。野良リスに 比べて、野良猫はアメリカでは余り見ないなと思っていたけど、 いる所には居るのですね。

Meow!


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